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2017年5月8日 米国債券マーケット日誌

 

 2017年5月8日

 

マーケットコメント

米国債は+3bpの金利上昇。フランス大統領選挙において、マクロン候補が次期大統領として選出されたことから市場に安心感が広まり、欧州債券を中心に売り優勢の展開となりました。米国時間には、ブラード米セントルイス連銀総裁が「政策金利は現状の水準で適切」と発言したものの、市場を動かす要因とはならず、金利はその後もゆるやかに上昇して引けました。

 

今日のマーケットをやさしく解説

今日のマーケットは、フランスの大統領選(二次)においてマクロン候補がルペン候補に大差で勝利したことを契機に債券が売られました。事前の世論調査では、60%対40%となっていたことから、マクロン氏の勝利は確実なものと見られていたため、特段の驚きはありませんでした。

 

予想通りの勝利にもかかわらず、なぜ市場に安心感が広がったのでしょうか?事前の世論調査ではマクロン氏勝利という予想が大勢を占めていましたが、Brexitやトランプ勝利のトラウマからか、投資家は多少なりともルペン候補勝利のシナリオも意識していました。投票棄権者の動向次第では逆転もあり得るとのテールリスクが意識され、先週の金利上昇局面においても、米欧の債券はあまり売られていませんでした。

 

しかし、投票結果を見てみると、66%対34%と、予想外の大差での勝利となっていたため、市場には安心感が広がり、欧州債券を中心に売られる結果となりました。事前予想を上回る得票率も重要な意味を持ちます。マクロン次期政権は、組閣に向け閣僚の任命プロセスに移行することになりますが、6月の11日と18日には総選挙を迎えることになります。

 

マクロン次期大統領は、政策として若年層失業率の低下や財政均衡の推進、法人税率の引き下げなど、数々の対策を選挙中に公約として掲げていました。

 

しかし、政治経験も無く、マクロン次期大統領の政党「アン・マルシェ!」も、いわゆる新規参入政党となります。だからこそ総選挙の結果を見通す上でも、マクロン次期大統領の得票率は大きな意味合いを持っていたのです。そして、結果は歴史的な勝利となったことから、市場に安心感が広まる結果となりました。現状では、総選挙に関する世論調査は少ないのですが、現状ではアン・マルシェ!が過半数を取ることが予測されています。数を取れなければ、今後の政策実行力にも疑問符が付き、国民ならびに投資家の信頼を失う結果になりかねません。

 

今回の大統領選では、ポピュリスト政党の台頭が顕著となり、ルペン候補が強力な対抗馬として存在感を強めていました。今回はマクロン候補の勝利で幕を閉じましたが、マクロン次期大統領の政策実行力に懸念が高まり、公約の実現が難航した場合においては、いよいよポピュリスト政党が政権を握ることになるでしょう。市場からの信頼を失わないためにも、着実な政策実行を期待したいですね。