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<意見>「若手への押し付け」に見る、シニア層のヤル気の無さ

さまざまな企業が停滞する成長に対し、何とかしようと「若手」の意見を取り入れようとする流れが鮮明になってきていると思う今日この頃。

 

こんな記事見つけました。

www.businessinsider.jp

 

でました今はやりの『若手主導』。通常業務時間外に若手グループでなんらかの「変化」を生み出そうと、強制的にプロジェクトにコミットさせる奴ですね。停滞する企業や国の成長を促す起爆剤として若手に何らかのアクションを起こしてほしいとの想いなんでしょうか?個人的にはこの潮流をかなり批判的に見ています。

 

停滞の原因を作り出したシニア層は、停滞をもたらした責任を取る事無く、偉そうに高座から若手に変革への圧力を掛ける。「若手なんだから」、「若手に責任を」と日々の業務から中長期的な戦略立案にまで、その責任を押し付ける。

 

そして、シニア層は上から偉そうに意見をするのみ。「責任は取る」と言いながら、特にリスクを取るような選択はせず、なんとなく「やった感」を出す。

はたからみれば変化を生み出そうとしている、新しい潮流を理解しようとしている、と程よい解釈をすることも可能でしょうが、結局は「どうしたらわからないから若手に押し付けてやれ」という精神なのだ。

 

 

「ちっちゃい。せっかく『若手』と銘打って出そうとしている割に、とんがり方が足りない」

 

 

この部分に日本の悪しき文化が凝縮されている様に思える。とんがらず、減点主義の環境下で、自分の椅子を守ることだけを考え、社内(省内)政治にのみ注力してきたシニア層がよくもヌケヌケと「ちっちゃい」と言えたもんだ。変化への圧力が強まる中、定年までの数年間をしのぐ為に、若手の貴重な労働時間を生贄に捧げているだけではないのか。「若手」というカテゴリーに留まることなく、組織全体で変化を生み出さなければならない時なのではないか。何のための肩書きだ。何のための政治力だ。何のための公費留学だ。いざ変革が必要になったらその責任を若手に押し付けるためにこれまでキャリアを積み上げてきたのか。

若手主導で成長を促進できるのであれば、シニア層は不必要なのでは?本当に若手主導にしたいのであれば、権限(職位)・予算を明け渡すべきだろう。そして、ヤル気の無いシニア層はとっとと引退して頂きたい。

 

そもそも若手に押し付けるロジックは何なのだろうか?

 

おそらく、若手の方が変化の時代に育っているため、凝り固まった頭のシニア層よりも違った視点のアイディアが生まれやすいと思っているのだろうか?それこそ、変化についていけないシニア層は席を若手に譲るべきだ。生産できない層を高待遇で抱えているほど組織に余裕は無いのだ。

 

海外の事例を出すと反論ができなくなるのであまり言いたくは無いが、米国に住んでXX年、「若手主導で変革を」なんて聞いたことが無い。若手だろうがシニア層だろうが、変革を起こして価値を生み出せる人間こそが偉い。年功序列意識が強い日本の社会で、体裁だけ「若手主導」にしたって本当の変化は生じ得ないだろう。

 

記事中にも気になる箇所がチラホラ。

 

『メンバーは担当業務を行いつつ、本プロジェクトに参画。』

『65ページの文書の作成にかけた熱量は相当なものだ。半年以上にわたり、毎週1回の定例ミーティングを最低2時間開き、週末には合宿もした。深夜に及ぶロングミーティングも回数を重ね、次官とのディスカッションだけでも50時間をかけた。』

⇒出ました、本業をこなしながらも頑張らせた感!今はやりの労度時間改革はどこに行ったのでしょうか?片手間でやらせている所にヤル気の無さ、本気度の薄さを表している様に感じます。

 

『こうして「不安な個人、立ちすくむ国家」文書は、最終部分を削除の上で、完成を迎えた。』

⇒真相はどうでしょうね。単にシニア層に遮られたんじゃないでしょうか。結論が無いプロジェクトなんて意味の無いもので、問題提起だけして終了なんて公表するだけ無駄でしょう。

 

いいっぱなしではアレなので、解決策を。

若手に限らずプロジェクト回せる人材を重用することでしょうね。そしてその人に権限と金、人を裂くと。若手だのシニアだの年功序列を意識している間には本当の改革は無理でしょうね。責任の押し付け合いをしているだけですから。

 

www.bloomberg.co.jp

 

この記事の様に能力がある人を積極的に重用すべきですよ。若くても。社内でどれだけの地位を意味するのか分かりませんけど。

 

この短い記事からもわかるとおり、依然として年功序列意識・階級意識の強い日本の役所が本当の変化を起こせるとは到底思えない。官庁は日本の企業文化の縮図でもあるため、これが大多数の日本企業の考え方なのだろうと考えます。

 

いつも通りまとまってませんが、以上です。

 

 

 

<就職活動>資産運用の世界に入るために(機関投資家編)

資産運用の世界への就職を目指す学生さんのために、就職ネタをいくつか執筆したいと思います。

 

資産運用の世界に入るには、大きく3つあります。 

  1. 機関投資家(生損保、信託)に入社
  2. 運用会社(所謂アセマネ)に入社
  3. ファンドを立ち上げる

 

私は上記の1から2へと移ったので、その時の経験を回数を分けてお話させていただきますが、今回は機関投資家編です。

 

機関投資家に入ろう

はっきり言って、特筆すべきものがないのであれば、機関投資家にまずは入社することをお勧めします!運用会社では各社10名程度の採用と非常に狭き門であり、加え運用業界への志望度が著しく高い学生が集まりやすく、内定を取る為の競争は激しいと考えてください。その点、機関投資家であれば、100名以上の内定者を出す企業も多く、数打てば当たる可能性も高くなります。また、特筆すべき点は、運用人材として採用されるための競争率の低さです。

 

考えてみて下さい。例えば保険会社に入社を志す学生は、何を志望理由として掲げることが多いでしょうか。「給料がたかい!」、「安定している!」など、本音では様々あるでしょうが、基本的には「保険を作りたい/売りたい」と面接の場で言う学生が多いです。運用を頑張りたいと面接時に言う学生は本当に少ない。強い志を持った学生なら別ですが、こうした大手金融機関を志望する学生は大抵「本業である保険関連の業務で頑張りたい」と面接で言う方が多いです。当然のことながら企業研究を熱心に行い、志望する企業が何を生業としているのかを学んで面接に臨んでいると思います。だからこそ、運用志望であることは差別化できるのです。むろん、なぜ運用会社でなく保険会社なのか、信託銀行なのかを示す必要もありますが、そこまで難しいことでも無いでしょう。しかし、その点をしっかり押さえておけば、内定をつかむことは難しくないと思います。

 

問題は、配属リスクが非常に高いことです。いくら、運用希望をしていたとしても、営業に回されたり、総務系の部署に配属されたりすることなどザラです。新卒で運用部門に配属されなければ、最低でも2年は異動のチャンスを得ることは出来ないでしょう。異動のチャンスを掴んだ(異動フローに乗った)としても、運用部門に配属されるとも限りません。一旦、レールから外れてしまうと、運用に携わる(戻ってくる)ことは難しくなります。では、どうすれば良いのでしょうか?

 

希望の配属(異動)を勝ち取る為に

泥臭いかもしれませんが、「資格取得」しかありません。先にも挙げた通り、100名以上の新卒者が一斉に入社する訳ですから、配属を決める人事部の人間はいちいち一人ひとりの事を考えてなどいれません。結局は、定量的に評価しやすい「保有資格」で判断されてしまうのです。異動に際しても同様で、これまで営業をやっていた人間に、株のファンドマネージャーをいきなり任せることなど到底許されないでしょう。まずは、運用部門への志望度の高さ、適応力の高さを示すために、資格が必要になります。

 

運用部門に配属されるための資格

運用を希望している学生ならば当然お気づきかもしれませんが、第一に来るのが「証券アナリスト(以下、CMA)」です。CMAは業界のスタンダードとなる資格で、日系金融機関で運用に携わる人間ならば、誰もが保有している(と言っても過言では無い)資格です。取得まで最短でも1.5年掛かり、労力とお金も必要ですが、運用部門を志すならばチャレンジする価値はあります。1次試験を通っている(科目合格でも可)だけでも、大きなアピールポイントになるでしょう。CFAという選択肢もありますが、語学力に自信がなければ、試験を受ける以前に、勉強が進まないというリスクがあるため、個人的にはお勧めしません(語学力に長けているなら別ですが)。

 

そしてなんといってもTOEIC日本株をやろうがJGBをやろうが、運用の世界の共通言語は英語です。ネット等を通した情報の取得はもちろんのこと、海外投資家やセルサイドのリサーチとコミュニケーションをとるうえで英語は欠かせません。TOEFLやIELTSが最適であることに異論はありませんが、見栄えのいいスコアを取るために要する労力が段違いですし、そもそも何点とれば優秀なのか、といった感覚もたいていの面接官は持っていません。大体、TOEIC800点程度持っていれば十分でしょう。

 

機関投資家から運用会社に出向(転籍)しよう

日本の大手運用会社の多くは機関投資家の子会社でもあったりします(合併などで少なくなってしまいましたが)。親会社から子会社への出向や転籍といった可能性も大いにありますし、運用会社の要職も出向組で占められています。そして、プロパー社員よりも待遇が良い場合がほとんどです。「本社で出世する」ことが至上命題として掲げられているため、出世コースから外れてしまう可能性が高い運用会社への出向を希望する人間は結構少ないです。

 

かなりかいつまんで書きましたが、運用の世界に入るのであれば、機関投資家に入社することをお勧めします。

 

 

2017年5月12日 米国債券マーケット日誌

 

マーケットコメント

米国債は▲7bpの金利低下。ニューヨーク時間朝に発表された米国CPIが市場予想を下回る結果になると、BEIの低下を巻き込みながら名目金利が大きく低下する展開に。米小売売上高も発表され、ヘッドラインが市場予想を下回る結果となったものの、前月分が上昇修正されたことから、強弱ミックスと判断され、特段の影響はなかった。その後も、エバンス米シカゴ連銀総裁が「今年の追加利上げはあと1回で適切」との発言を行ったことから買い需要は収まらず、そのまま金利は低下して終了した。

 

今日のマーケットをやさしく解説

CPIだけでこうも金利が下がるのか!という印象でした。ここ最近は緩やかながらも金利上昇が継続していましたから、リアルマネーを中心に買いどころを探していたんでしょうね。直近のリスクイベントをこなし、ハードデータも強くなかったので、いったんアロケーションを消化しておこう、と思ったのでしょうか。

 

6月のFOMCの利上げの可能性は、前日よりやや低下したものの、引き続き100%に近い状況であることからも、小売売上高は利上げを再考させる程度のものではないし、CPIも単月のブレだけでは、「中長期的に2%」と言っている中ではあまり関係ないのでしょう。もっとも、FEDがインフレ指標として見ているのはCPIではないのですが。

 

来週は特にイベントが無いので、いよいよ米国政治に注目が集まる様な気がします。コミーFBI長官の解任劇をめぐるさまざまな憶測や共和党内部からも噴出する批判がトランプ政権の政策実行力への疑問を強める結果となれば、一段と金利が低下してしまう可能性もあります。

2017年5月11日 米国債券マーケット日誌

 

 

マーケットコメント

米国債は▲3bpの金利低下。オーバーナイトで欧州金利が上昇する中、米国債はやや金利低下でスタート。発表された米PPIが市場予想を大幅に上回ったことから、これまで燻っていたインフレへの懸念が一旦後退し、ブレークイーブンインフレ率の上昇と共に名目金利も一時上昇した。本日実施された米30年債入札も+1.5bpのテールがついたものの、債券売りの流れは継続せず、北朝鮮関連のヘッドライン(北朝鮮が年内に米国に着弾可能な大陸弾道ミサイル実験を行うとの米国国防情報国のレポート)に反応して買い戻される展開にとなった。

 

今日のマーケットをやさしく解説

なんとも言いがたいマーケットでしたね。PPIの影響でブレークイーブンインフレ率(名目金利-インフレ連動債)は大きく上昇した(といっても+4bp程度)ことや新規失業保険申請件数が歴史的な低水準になるなど、米国の経済状況を示す数字はよかったのですが、あんまり米国債金利に上昇は見られませんでした。30年債入札も軟調な結果だったのですが、あまり反応を示さず。昨日の10年債入札結果から見て軟調になるのはわかりきっていたのでしょうね。

 

明日の小売売上高やCPIの発表を控えるなかでは、確かに今日金利上昇をする必要は無かったかもしれないですね。金利も2.40%を上回って、やや目処感が出てきているので、一旦様子見姿勢を取るという投資家が多かったのではないでしょうか。

 

それにしても、昨日今日とコミーFBI長官の解任劇がこちらでは大きく報道されており、解任の理由を巡って様々な憶測が飛び交っています。地政学リスクに加えて、更なる政治リスクが意識された場合においては、株安・債券買いといったリスクオフモードに切り替わってしまうような気がします。

2017年5月10日 米国債券マーケット日誌

マーケットコメント

米国債は+2bpの金利上昇。欧州アジア時間には、リアルマネー勢からのここもと金利が上昇していた欧米国債への買いが目立ったことや、北朝鮮リスクが意識され、米国寄り付き時点で▲3bpの金利低下となっていたものの、発表された原油在庫統計で在庫の減少が確認されたことや、ローゼングレン米ボストン連銀総裁の「年内あと3回の利上げを支持」との発言、そして+1.9bpのテールがつく等軟調な結果となった米国10年債入札も売り圧力を強める結果となった。

 

 

今日のマーケットをやさしく解説

結構金利が下がっていたので、2.40%を目途としてリアルマネーの買いが入ったのかな?と思ったのですが、結局金利上昇で引けています。本日も色々ありましたが、今回は米国債券の入札についてお話したいと思います。

 

 定期的に行われる米国債入札はマーケットの債券需要を測る指標として見られています。軟調という判断になれば、需要が弱いとみなされ、逆に堅調という判断になれば、需要が強いとみなされます。そうした入札結果の強い・弱いを判断する指標として、主に3つ挙げられます。

 

1.応札倍率

発行金額に対して、応札がどの程度入ったかを示す数字です。何か絶対的な基準があるわけではないので、過去4回の平均や過去1年間の平均との比較によって、強い弱いを判断します。

 

2.インダイレクトビット占率

プライマリーディーラー(入札資格のある米銀)以外の投資家(海外中銀や生命保険会社など)が応札に占める率です。この率が高いほど、投資家からの需要が強いとみなされます。

 

3.テール・スルー

ちょっとわかりにくいですが、入札(米国時間午後1時)が行われる瞬間の現物債の金利と落札された金利の差を指します。日本国債だと価格差のことを言うみたいですね。落札金利の方が現物債よりも高ければ、「テールがついた」といい、逆は「スルーがついた」と表現します。テールが付いた場合は、「こんな低い金利じゃ買いたくないよ!」と投資家がメッセージを送っていることになるため、需要が低いとみなされます。

 

上記がすべての指標では無いのですが、大体これらを見ておけば間違いないでしょう。そして最後に強弱の判断ですが、これは人によって判断がわかれるのでなんともも言い難いでしょう。テールがついてても、応札倍率が高いから「堅調(あるいはミックス)」と言われることも多々あったり、筆者もよくわからないのが現状です。

 

まぁそんなときは直後のマーケットの動きを見て判断することが無難ですね。

 

 

<金融報道>ローゼングレン米ボストン連銀総裁

 

www.bloomberg.com

 

 

最近はFED高官の金融政策の方向性についての発言が目立ちますね。本日は、ローゼングレン米ボストン連銀総裁が後3回の利上げを支持しているとの発言を行っています。

 

報道によると、潜在成長率を超えるペースでの経済拡大が継続し、失業率も完全雇用状態の水準まで低下している状況を勘案し、米国経済が加熱するリスクを抑制するために、金融政策の正常化が必要だとのこと。

 

そして、極めつけはバランスシートの縮小を段階的に進めるのと同時に、政策金利を今年あと3回上げることを支持しているとのタカ派もびっくりな発言をしています。

大体市場では、60%の確率で2回の利上げが行われると予想していますが、その予想のさらに上を行く発言。なおかつバランスシート縮小も同時に行うと。

 

うーむ。

 

足元では原油価格の下落を背景にインフレ期待が低下し、実質金利が上昇する中にも関わらず、過度な利上げを行う(ないしは利上げ期待を高める)ことで、さらなるインフレ期待を押し下げる結果となり、最終的には引き締めが強まりすぎる可能性があると思います。ハードデータ・ソフトデータがやや弱まりつつある現状で、抑制されすぎているタームプレミアムが量的緩和解除と共に押し上げられえることで、よりさらに実質金利の上昇を招く可能性も否定できませんね。

 

幸い?なことに彼は今年のFOMC投票権を持っていないので、タカ派な潮流をFOMCに呼び込むには少し難があるのかなーと思っています。

<金融報道>米国10年金利3.0%へ上昇か?

 

www.bloomberg.com

 

PIMCOのグローバルクレジットのCIOであるMark Kiesel氏のコメントです。

 

彼によると、FEDによるバランスシート縮小によって、米国10年金利は中期的に2.75から3.0%まで上昇する余地があると発言しています。加え、トランプ大統領の減税策により拡張する米財政によるインフレやタームプレミアムの織り込みにも注意を払うべきと警告を促しています。

 

個人的には、今年中に米国債金利が3.0%まで上昇する可能性は十分にあると思っています。バイサイドはセルサイドよりもポジショントークを行いやすいため、発言の本気度については割り引いて考える必要がありますが、確かに上記のリスクはまだまだ市場に織り込まれていないと思っています。 

 

個人的には、FEDバランスシート縮小やタームプレミアムの他にも、中央銀行によるテーパーリングに注意すべきと考えています。ECBやJGBが資産買い入れを継続していることは承知の事実ですが、こうした買い入れにより、主要国の金利は過度に押し下げられている状況です。そんな中、外国人投資家(米国から見た)が相対的に利回りの高い米国債に目を付けることは必然であり、彼らの買い需要が低国金利を低位に抑える状況にありました。

 

しかし、経済状況の回復や、インフレ率の改善により、主要国中銀が金融政策の出口戦略を模索し始めており、ともすればキャリートレードの終焉、そして米金利の更なる上昇というリスクが示現する可能性があります。そうなるとHYなんかは危険かもしれませんね。過度にタイトなスプレッドでも無理して投資家は買ってましたから、名目金利が上昇することになればもう買う必要もなくなりますしね。